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打ち上げられた石像

海底に
打ちつけられて
転がって
片手はもげて
両足はそれを追いかけて

頭と胴と片手の石像は
夜、砂浜に打ち上げられました

明かりに照らされて
残った片手の
握りしめていた

が、ゆっくりと開いた。
中から二つの石が出てきました。

緑の石と
黄土色の石

魂と心臓

朝日を浴びて
ひくひくと動き出す。

手足はじきに生えてくる。
今度は必ず血が通う。
IMG_5529.jpg
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ホラー編 1

潮の香りがする。改めて、自分が海辺の近くに住んでいることを思い出した。ベランダの物干しには、手すりと物干しの間に大きなクモの巣が出来ていた。捕らえられた虫だろうか。薄茶色の石の塊のようにされて、クモの巣の右下に規則正しく並べられていた。風が吹く。その塊は、何かを求めるように(それは自由だろうか?)、右に左にクルクル回転しながら動いた。その振動に反応してか、獲物が掛かったのかどうか確認をするため、クモは、二、三歩動いて、自分の巣を揺らす。二度、三度素早く、そして小刻みに。それは徒労に終わった。やがてクモは定位置へと戻った。男には、その光景が、捕らえられた虫たちの小さな抵抗に思え、小気味良かった。

ホラー編 2

男は、洗面所に立つ。鏡を見た。「だいぶ髭が伸びたな」。そう呟きながら、頬から顎にかけて、右手で撫でる。水垢や石鹸滓が飛び散る、白くぼやけた鏡でも、髭が伸びていることがはっきりと分かった。軽く息を吹きかける。下着で鏡をこする。小さくあけられた鏡の窓に、自分の顔が映し出された。「顔中、傷だらけだ・・・頬がこけたな」。久しく遠ざかっていた日常が戻ってくる。男は、石鹸を顔へ塗ると、ゆっくり丁寧に髭を剃り始める。沁みる。一通り終わると、剃り残しが無いか、頬、顎に手を当て、入念に調べた。剃り残しが無いのを確認すると、両手で頬をパンッと叩き、軽く笑う。着替えを済ますと、鍵も掛けず、小走りで海へと向かう。そう、昨夜のあの場所へ。

ホラー編3

あの場所に向かう道すがら、夕べのことを思い返した。

朝7時。目覚ましのアラームが鳴る。目は疾うに覚めていた。「あと40分で7時か・・・あと20分で・・・あと10分で・・・」シミだらけの天井を眺めながら、鬱々とした気分を増長させるだけの時間をただ過ごした。出勤の支度を始めなくては・・・行きたくない・・・無理に起き上がり、洗面所に立つ。鏡は、ぼやっと男の姿を映す以外は何の役にも立たないほど汚れている。行きたくない・・・力無く開けた口に、歯ブラシが機械的に押し込まれた。磨き終わると、洗面台に頭を突っ込み、蛇口に直接口をつけ、すすいだ。行きたくない・・・スーツに着替え、ネクタイを結んぶ。休もう・・・いつも男は、無意に逡巡し、自分自身を振り回し、土壇場で気持ちが萎え、すべてを翻すのであった。結局会社に行くのをやめた男は、昼から街を歩き回った。何時間も歩いたのに、また同じところに戻ってきてしまった。抜け殻の僕は、自分ではどこにも行く事ができないのか?「海へ」この言葉が不意に頭に浮かんだ。

ホラー編4

海へは、54号線を横切り、松林を過ぎれば、すぐに行き着く。54号線沿いには、土産屋と書かれた建物が、数軒点在するだけで、他には何も無い。その土産屋も、観光地の途中に位置するこの街で、わざわざ立ち寄り土産を買う者は稀で、シャッターが下りてひっそりとしていた。「ようこそ!この街へ」の看板が目に入る。看板は、根元から斜めに傾き、今にも折れそうな状態で立っていた。

その先には、小さな公園のようなスペースがあり、モザイク状に素焼きのタイルが敷き詰められていた。タイルとタイルの目地の隙間からは黄色い草が、野放図に伸びている。この場所は、U字形に陸地が大きく侵蝕され、松林が途切れ、直接海が見渡せた。

沖合には黒い雲が、小さく立ち込める。その黒い雲は、くすんだ橙色の太陽に無数の黒い糸を巻きつけた。太陽には、うっ血したような紫のスジが幾本もできる。締め付けるその圧力にもう耐え切れず、ドロッと水平線に太陽の中身が飛び出した。

Re: ホラー編4

>楽しく読んでるよ~ホラー編。

全然関係ないけど・・
昔昔、奥多摩に二人で行った時、
川を横切ろうとして片足を川に入れた時に、真上の橋の上で工事をしていた人から「死ぬぞー」と声をかけられた・・あの時の川の流れの絶対に逆らえない圧力をふっと思い出した。

本当に怖かったなぁ・・
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菅原啓介

Author:菅原啓介
月から落っこちたギターと僕。

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